2003年1月/宮城大学事業構想学部教授 久恒啓一さん

Profile
1950年生まれ。日本航空時代より、ビジネスマン勉強会「知的生産の技術」研究会で活躍し、著作を重ねる。97年同社早期退社後、新設の宮城大学の教授に就任。『図で考える人は仕事ができる』(日本経済新聞社)、『図解仕事人』(光文社)、『能率手帳でえがく ビジネス自分史』(JMAM)など、著作多数。
● http://www.hisatune.net/
Interview
ご自身で作られた、オリジナルの手帳をお使いとのことですが?
日本航空社員時代から、自分でスケジュール帳を作って活用しています。本当にタイムマネジメントしようと思えば、見開きで1カ月は必要、それも書き込みがそれなりにできるものでないと意味がありません。そこで考えたのが、下のようなスケジュールシートです。1枚で4週間分、ページをめくるごとにそれが1週間ずれていくものを作って、システム手帳にファイリングしています。
表面(表面は当月のスケジュール)

裏面(裏面は翌月・翌々月のスケジュール)

POINT!
今週と翌週の2週間分をメインに4週間分のスケジュール管理ができるフォーマット。 下にはタスクチェック、講演スケジュール、原稿の締め切り、出版スケジュールなども。裏ページは翌月、翌々月の2カ月分の月間スケジュールになっている。
このフォーマットの利点は?
こうやって常にスケジュール全体を「鳥の目」、つまり俯瞰(ふかん)で見渡すことができる、ということにつきますね。長いスパンで仕事の予定を組み立てられるし、やらなくてはいけないことや、講演、出版などの大切な予定も一目ですべてわかります。
スケジュール管理を「鳥の目」で見るというのは、ベストセラーとなった著書『図で考える人は仕事ができる』にも通じる気がしますが。
まさに、その通りです。時間管理を図にして考えたら、私の場合、このフォーマットになったということ。ものごとを「鳥の目」、つまり俯瞰で考える、それがいちばんわかりやすくて効率的です。
時間を俯瞰で見ることで、具体的に仕事にプラスとなる点は?
仕事の全体の流れがわかるようになります。私の場合、スケジューリングした時点で、その仕事がどう展開しどんな結果になるか、予想がついてしまいますからね。そうすると今度は、仕事を成功させるためには、いつ、どんなことをしておけばよいか、「仕掛ける」こともできるようになります。

日本航空時代は、このスケジュールシートをチーム全員が共有していたとか?
毎週月曜日、チーム全員で同じ手帳を開いて、スケジュール会議をしていました。同じスケジュールフォーマット上で、仕事の進捗や問題点などについて話していくことで、全員が同じスパンで仕事の流れを見みることができます。その結果、個人はもちろん、チーム全体で仕事を効率化し、成功させていくことができるようになったと思います。
手帳は自分の「キャリア史」そのもの。今後のキャリアプランを立てるための貴重な資料。
タイムマネジメントができる人は仕事ができる、とよくいわれますが?

「仕事ができる」ということは「セルフマネジメント」ができる人です。セルフマネジメントとは、つまり「タイムマネジメント」をするということ。結局、仕事ではスケジュール管理を握った人間がリーダーなんですよ。それによって、その人の意向にそった仕事の流れをつくることができるわけですから。
手帳で自分のキャリア史を考える ということも提案されていますが。
私の過去の手帳には、自分のビジネスキャリアのすべてが記入されているといっても、過言ではありません。個人のキャリア史でもある手帳は、今後のキャリアプランを描く貴重な資料です。手帳を振り返りつつ、毎年の年間計画を立て、さらには今後のライフプランを考えてみることも大切だと思います。
年の初めにあたって、年間計画を立てる方も多いと思いますが。

私の場合は、30歳のときに一度、一生のライフプランを立てました。その大きな枠の中で、さらに毎年、具体的な目標を掲げています。そのやり方としては、まず、年末にその年の総括をまとめてみる。その結果を振り返りながら、正月休みの間に今年の目標や計画を練る。目標などはリフィールにまとめて手帳に挟んでおきます。こうして、いつも自分の目標を目にしながら、新しい1年を過ごすようにしています。
最後に、2003年の新しい手帳で時間管理を始めようとする方へのアドバイスを。
時間管理をすることの意義や価値を、自分の中でしっかり意識することです。そのうえで、自分がやりやすい方法でいいから、とにかくチャレンジすることですね。また、新しい年に向けいろいろな目標をたくさん掲げてみたほうがいいと思いますよ。全て達成できる必要なんかありません。目標を持ち、それをいつも自覚すること。それが、次のステップにつながっていくと思います。

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