2003年5月/スポーツジャーナリスト 中西哲生さん

Profile
1969 年生まれ。プロサッカー選手として、名古屋グランパスエイトを経て、川崎フロンターレへ。2000年現役を引退。現在は、日本テレビ『ズームイン!! SUPER』でスポーツキャスターを務め、テレビ、雑誌などで活躍。著書に『魂の叫び』『ベンゲル・ノート』(幻冬舎刊)など
● ホームページ:http://www.tetsuo-n.com/
Interview
サッカー選手からスポーツキャスターへの転身。時間の使い方への感覚がずいぶん変わったのでは?
今は選手時代とはずいぶん違いますね。特に若い頃はサッカーのことだけ考えていればよかったから、時間をうまく使おうなんて、意識したこともなかったし。でも、28歳くらいから、サッカー以外の時間の使い方についても、これじゃあいけないと考えるようになって。
それはどうしてですか?

自分にとっての「引退後」が身近になってきたんです。引退後も自分の活躍できる場を見つけるためには、それなりの準備が必要だと。ちょうど書く仕事をもらったりもしていたので、そういう時間をきちんと確保していいものを書く努力をしたり、なるべくいろいろな人に会う時間を作るようにしたり。だから、サッカーも大切だけど、それ以外の時間を無駄にしてはいけない、と思うようになりましたね。
31歳で引退を決意されましたが、それも人生設計だったとか。
現役を契約より1年早く辞めたのは、ワールドカップで解説の仕事をしたいという目標があったから。2002年のワールドカップ日韓共催は、僕にとって、新しい将来を切り開くためのビックチャンスだと信じていたので。
人生における目標をきちんとたてていたんですね。
「引退後はサッカー解説の仕事がしたい」といっても、なかなか難しいのが現実です。僕は日本代表になれるような有名選手ではありませんでしたし。でも、ワールドカップが日本で開催されるとなれば、僕にだってきっと仕事がまわってくるはずだ、と。この大舞台でいい仕事をして、希望の道につなげたかったんです。
実際、ワールドカップを解説者として経験した感想は?
死ぬほど大変でした(笑)。全然、寝る暇もなく、もちろん、休みもなし。とにかく仕事づけの日々でしたね。でもそれが新しい大きな目標だったし、夢だったから、精一杯できたと思います。結果にはとても満足しているし、本当に幸運だったと今でも思っています。
現在、スポーツキャスターとしての日常は?
早朝生番組の「ズームイン!!SUPER」(日本テレビ系)に隔週で出演しているので、それがある週ない週では全然スケジュールが違いますね。なにせ「ズームイン」がある日は朝4時に局に入るので。番組終了後、ほかのロケや取材に出かけることも多くて、かなりスケジュールがきつくなります。「ズームイン」のある週は、特に体調管理にも気を使いますね。
朝の生番組はいろいろ大変そうですが?

かなり勉強させてもらっています。5秒ぴったりでコメントをまとめて次のコーナーに渡すなど、秒単位の判断が必要ですから。自分の持ち時間もその場その場で変わっていくので、状況判断がすごく大切ですよね。そのための準備もしっかりやるようにしています。
準備というと、具体的には?
たとえば、コメントのネタは、自分の中の引き出しに必ずいくつか用意しておくこと。その場の流れや時間を計算して、その枠に収まる話題を持ち出すためです。どれを話すのかは、そのときに瞬時に決めてますね。
仕事がない精神的・金銭的辛さも体験。忙しいことはありがたいし、幸せだと思う。

仕事の幅が広いだけに、スケジュール管理が大変ですね?
テレビ関係や雑誌の取材などは、マネジメントオフィスが窓口になっていて、執筆は自分で管理しています。マネージャーとは毎日連絡をとって、スケジュールはこまめに確認をしますね。ありがたいことに仕事量が多いので、なるべく無駄な空き時間を作らず、効率的になるようにお互い工夫しています。
情報収集や試合のチェックなど、解説者としての下調べの時間も確保しなくてはいけませんよね。
それが結構、時間がかかるんです(笑)。試合はビデオで夜中チェックしていることが多いですね。ポイントを中心に早送りで見たりすることもあります。あとはインターネットを活用して、どんなに忙しくても最新の情報をキャッチするようにしています。
ほとんど休みがないそうですが?
引退直後、仕事が全然なくて精神的にも金銭的にも辛かった時期があるんです。だから、忙しいことは本当にありがたいと思っているんです。それに忙しいということは、誰かに必要とされているということでしょう。それはとても幸せなことだと思うんですよ。
オフタイムはどうやって作り出すのですか?
買い物が趣味なんですが、雑誌を見てこれがほしいと思ったら、ちょっとの暇を見つけてでも、店へ駆け込んじゃう(笑)。そういう時間のやりくりは、なんとかなりますね。オフタイムっていうと、スタッフや友達と夜ご飯を食べにいったり、飲みにいくくらいですが、そういう時間も大切だと思っています。

ご自分がスケジュールを管理しているのは手帳ですか
実は、本当に3年くらい前から「能率手帳ネクサス」を使っているんですよ(笑)。レイアウトが使いやすいのが気に入ってます。PDAなども使ったことがあるんですが、データがとんでしまって・・・。スケジュールは手帳に手書きで記入したほうが、頭にも入るし一番確実ですよね。
手帳の具体的な使い方を教えてください。
1週間の見開きで左がスケジュール欄で、右がその日のメモ欄になっています。細かいタイムスケジュールは右ページのメモ欄を利用しています。左ページの日付部分には当日の仕事の種類(テレビ、取材、講演など)と本数を書き留めていますね。忙しすぎて、何の仕事をどれくらいやったのか、わからなくなってしまうので(笑)。

予定の書き込み方で工夫していることがあるとか
仮の予定はすべて右ページの上部に書いておくんです。それが正式に決まったら、当日の欄に書き写す。予定の変更などで手帳がきたなくなるのは、いやなんです(笑)。それに、「はっきり決まってないけど、この辺りで」というアバウトな予定も、頭に組み込みながら全体のスケジューリングがしやすくなりますね。
最後に時間をうまく使う方法について教えください。
なにもしていなくて、あとから「あの時間がもったいなかった」という後悔は、したくない。時間というのは決まっているものだから、いかに無駄な時間を作らないか、という意識が大切だと思います。そう思うことから毎日が充実していくんじゃないでしょうか。
