手帳開発物語



なにげなく毎日使っている手帳。でも、その裏には開発担当者たちの汗と涙がぎっしり。手帳ができるまでの裏話を特別に教えてもらいました。

今回のアドバイザー
日本能率協会マネジメントセンター
ビジネスツール開発部 TM担当
大場志広

日本能率協会マネジメントセンターに中途入社し、4年目。以来、「綴じ手帳」「カレンダー」を担当。 毎年4~5種類の新商品を世に送り出している。


今回のアドバイザー
日本能率協会マネジメントセンター
ビジネスツール開発部 IM・KM担当
関野圭子

入社してすぐ「システム手帳」を担当。その後、「ファイル」や「ノート」担当を経て、2002年4月から再び「システム手帳」の担当へ。現在は女性ものを中心に商品開発にいそしむ毎日。



1.手帳ができるまでのスケジュールは?

大場

 

手帳は1月と4月始まりの2種類があり、実際の制作には約1年弱かかります。1月始まりの場合は、その2年前の9月から準備がスタート。2004年1月始まりの手帳なら、2002年の9月から企画作りを始めて、翌年1月に企画が決定し、細かい仕様を詰めます。そこから実作業に入り、8月末から店頭に並び始めるわけです。同時に6月前後から翌年4月始まりの手帳に取り掛かります。

2.毎年、日本能率協会マネージメントセンターで出している手帳の種類は?

大場

 

綴じ手帳は全部で約150種類、うち10種類程度が新作です。色違いもあわせると、毎年20~30種類を開発してますね。
 

関野

 

システム手帳は定番のバインダーが50~60種類、リフィールが108種類あります。うち、本体の新作は毎年20種類程度。私の担当する女性向けは15種類くらいです。女性向け商品は流行の移り変わりに合わせて入れ替えが激しいんですよ。

3.手帳作りで大変なのは?

大場

 

やはり、最初の企画段階ですね。手帳売り場でリサーチをしたり、喫茶店でビジネスマンの持ち物を観察したりして、アイデアを練ってます。
 サンプル完成後も、もう一山。サンプルを抱えて、何社も回ってヒアリングをします。ダイアリーサイズの大きな手帳が何十冊もあると、それだけでも大荷物。そのうえ、ヒアリングで「いいのがない」なんていわれると、さすがに落ち込だりして・・・。でも、商品作りは絶対妥協したくないので、納得できるまで、がんばっています。

関野

 

私は女性向け担当なので、雑誌や展示会をチェックして流行の情報収集を心がけてます。革小物からビジネスショーまで、幅広くアンテナを張るので、そこが大変ですね。それに、洋服の流行がそのまま手帳にもちこめるわけでもないので、流行の取り入れ具合いも悩みの種です。

4.手帳作りの裏側を教えてください。

大場

 

当社の顔でもある「能率手帳 普及版」の場合、オリジナルの紙を使っているんですが、目にやさしく、薄い紙でも裏写りしずらいようにと、うすいクリーム色になってます。手帳を機能的に使えるように、印刷の濃度も非常に細かく管理しているんですよ。

紙色の違い

能率手帳シリーズにも普及版と同じクリーム色の紙(左)を使用したタイプがある。

関野

 

女性向けではメモ欄の罫の幅が少し広い手帳やリフィールを出しています。その理由は女性の方が男性より字を大きく書く傾向があるからです。罫は手帳の使い勝手の重要なポイント。書きこむ文字を浮き立たせるように、罫線の色や太さは綿密に考えています。ほかにもさまざまな部分で細かい工夫をこらしつつ、使いやすい手帳づくりを目指しています。

女性向け手帳の罫

女性向けに開発された手帳のメモ欄(左)は罫の幅を太く工夫。