5.企業手帳の効用(2)(社員用)
企業手帳は、社名入り手帳とも呼ばれ、取引先などに配る「贈答用」と社員などに配る「社員用」とに分けられる。ここでは、社員手帳について考えてみたい。
日本の手帳の歴史は社員手帳から
わが国で手帳が作られるようになったのは、1877年(明治10年)の警察手帳が初めといわれる。しかし、これは身分証明書が目的のもので、今日のような手帳が初めて作られたのは、1879年(明治12年)12月に大蔵省印刷局が発行した「懐中日記」といわれる。翌年には横浜の文寿堂という印刷会社が、住友銀行の依頼を受けて銀行手帳を初めて作った。それ以降、一般の会社でも社員手帳が作られるようになったといわれる。
なぜ社員手帳なのか
企業が社員向けに配布するのが社員手帳。そこには企業理念、経営方針、行動憲章から、規定マニュアル、各種手続き、社歌、年間予定、事業所一覧、製品一覧など、企業によっていろいろな情報が掲載されている。
特に、企業理念、経営方針、行動憲章、行動指針、環境方針などを手帳に掲載することは、ポスター、カード、小冊子などと違って、社員が日常的に使うものだけにその効果は高くなる。
また、営業社員などが、顧客の前で自社の手帳を颯爽と取り出して、資料を確認したり、次回アポイントをとる姿は、自然と相手に対して企業の信頼感を高める効果がある。しかも、社員の帰属意識も高まり、企業倫理・コンプライアンスの確立にも一役買うことにつながる。
営業日や営業締切りなど企業独自のカレンダーで運営している企業では、社員手帳は特に有効といえる。例えば、週の開始が火曜日から始まる、期首が10月からスタートするなど、その企業独自のカレンダー・サイクルを持っている企業では、自社の手帳を作って社員に配布することは、業務効率からも望ましい。
また、巻末の資料に事業所や商品情報などの情報を掲載することにより、商談中にスムーズに対応できるなどの効果もある。社員手帳だけでなく、組合員、会員などに配布する手帳も同様の効果がある。組合員手帳、会員手帳、業界人手帳などいろいろな手帳が制作されているのも、そうした理由からだ。

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